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2026/09/10

介護BCPの研修資料|無料入手先3選と自施設に合わせた直し方も紹介

ifny運営スタッフ

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今年度のBCP研修をまだ実施していないと気づき、厚生労働省のページを開いたものの、PDFと動画の多さに手が止まっていませんか?防災の専門知識がないまま資料づくりを任されると、どれを使えばよいか迷ってしまうでしょう。

この記事では、研修資料として用意する2種類と自施設に必要な回数を整理したうえで、無料で手に入る入手先を3つ名指しで紹介します。ダウンロードした資料の直し方から、30分と60分の進行例、記録の残し方までを取り上げます。

この記事を読めば、今週中に資料をそろえ、当日の進行から記録の保管までを一続きで決められるようになるでしょう。

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。

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BCP研修資料には何を用意する?

研修資料は、感染症編と自然災害編の2種類をそろえるのが前提です。厚生労働省の業務継続ガイドラインもひな形も、この2編に分かれています。必要な回数はサービス種別で変わり、老健や特養と訪問系では年に何回実施するかが異なります。

ここでは、用意する資料の種類と、自施設に必要な実施回数を確認していきましょう。

感染症編と自然災害編の2種類

研修に使う資料は、感染症編と自然災害編の2種類です。厚生労働省のBCP作成支援ページにはガイドラインが2本並び、ひな形も感染症編(入所系・通所系・訪問系)と自然災害編(共通・サービス固有)に分かれています。

2編の違いは、被害の受け方にあります。自然災害は施設や設備への被害が大きく、感染症は人への健康被害が中心です。業務量の動きも逆で、災害では通常業務が急減し、感染症では感染対策の業務が一時的に増えます。

ただし、様式は共通の番号で組まれています。推進体制・職員緊急連絡網・備蓄品リストは両編に共通で、自然災害編の様式1には「感染症と同じ体制でも良い」との注記つきです。

2編を別々にそろえたうえで、兼用できる様式は1つにまとめておきましょう。

参考:介護施設・事業所における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン|厚生労働省

サービス種別ごとの実施回数

実施回数は、サービス種別ごとに定められています。老健や特養などの入所・居住系は、研修と訓練をそれぞれ年2回以上実施します。

サービス種別研修訓練
入所・居住系(老健・特養等)年2回以上年2回以上
訪問系・通所系年1回以上年1回以上
短期入所(ショートステイ)年1回以上年1回以上

見落としが多いのが短期入所生活介護と短期入所療養介護で、入所と名が付きますが年1回以上の区分です。

回数を満たさない状態は運営基準違反にあたり、運営指導で是正を求められます。研修や訓練の実施の有無は、業務継続計画未策定減算の算定要件に入っていません。

減算の要件は、感染症と自然災害のどちらか一方でも計画が未策定で、かつ計画に沿った必要な措置を講じていない場合です。減算がないからと後回しにせず、年度内に終える計画を立てましょう。

参考1:令和5年度介護BCP策定支援セミナー机上訓練(入所系)|厚生労働省

参考2:介護保険最新情報Vol.1225|厚生労働省

BCP研修資料の無料入手先3選

研修資料はゼロから作らず、公的機関が無料で配っているものを土台にします。どれも申請なしでダウンロードでき、出典もはっきりした資料です。

ここでは、入手先を3つに絞り、それぞれ何が手に入るのかを紹介します。

厚生労働省

1つ目は、厚生労働省のBCP作成支援ページです。感染症と自然災害それぞれの業務継続ガイドライン、記入例入りのひな形、研修動画が1ページにまとまっています。

ひな形は令和5年度版が最新の公開版で、感染症編は入所系・通所系・訪問系の3種類です。厚生労働省はこのひな形を令和8年度中に改訂する予定のため、配布ページの更新日も確認しておきましょう。研修に使いやすいのは動画の配布資料で、BCP作成と机上訓練が各4本、計8本のPDFで手に入ります。

机上訓練の資料には、自然災害の研修内容の例も載っています。

  • 防災意識の啓発
  • 自宅の防災
  • 参集基準と行動基準
  • 安否確認の徹底

4項目とも講義の題材として使え、施設の実情に合わせて順番を入れ替えられます。まずはこのページだけを開き、ひな形と動画資料を一式そろえましょう。

関連記事:ひな形を活用した介護施設のBCP策定手順を解説

参考:介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修|厚生労働省

東京都福祉局

2つ目は、東京都福祉局の高齢者施設等におけるBCP策定支援事業のページです。都内の事業所向けに作られた資料ですが、ダウンロードは誰でもでき、中身も全国共通の制度をもとにしています。

研修担当者に役立つのがBCP研修・訓練ガイドブックで、全32ページが研修編と訓練編の2部構成です。研修の企画から実施、評価、改善までの流れに加え、研修実施計画書のサンプルとタイムテーブル例も載っています。

同じページには、策定講座のスライドとテキスト、ワークシート、自己評価チェックシートも並びます。訪問系と通所系の事業所向けには別ページがあるため、自施設の種別に合うほうを選びましょう。

1冊で資料と進行の両方をまかなえるため、ガイドブックから先に目を通すと準備が早く進みます。

参考:令和5年度高齢者施設等におけるBCP策定支援事業|東京都福祉局

各都道府県の支援ページ

3つ目は、各都道府県や市が公開している支援ページです。国のひな形をそのまま案内している自治体もあれば、独自の様式や記載例を配っている自治体もあります。

たとえば、静岡県はチェックリストのExcelとBCP作成例のWordを申請なしで提供しています。北海道が用意しているのは、施設が実際に策定したBCPをもとに加工した記載例です。

ただし、中身は大きく異なります。感染症対策の資料が中心でBCP専用の研修資料がない自治体や、セミナーの案内が中心の自治体もあります。

自施設のある都道府県と、地元の自治体のページを一度ずつ開けば、国のひな形に足りない記載例が見つかるでしょう。

参考1:介護施設における事業継続計画(BCP)作成支援ツール|静岡県

参考2:介護保険施設等における業務継続計画(BCP)の策定|北海道

BCP研修資料を自施設用に直す方法

厚生労働省のひな形には、未記入版と記入例入り版があります。記入例入りをそのまま研修に配ると、職員は自施設の話として受け止められません。書き換えは、施設名と体制図、優先する業務、連絡網の3つから始めると迷わずに進められます。

ここでは、厚生労働省のひな形を例に、直す場所と中身を順に見ていきます。

施設名と体制図を差し替える

最初に直すのは、赤字の部分です。ひな形の1ページ目には、赤字は施設名など固有のものなので修正するよう書かれています。黒字は必要に応じて修正・追加・削除し、青字は作成手順の解説です。

表紙には法人名や施設名、代表者名、作成日などの記入欄が並びます。記入例は「特別養護老人ホーム ●●の里」のように伏せ字で、差し替える前提の作りです。

体制図にあたるのが、様式1の推進体制の構成メンバーです。対策本部長や各班の担当者名と電話番号に加え、代行者を記載する欄もあります。夜間や休日に本部長が不在でも動けるよう、代行者まで埋めましょう。

赤字は表紙と様式1だけではありません。ページを順に送り、赤字が残っていない状態にしてから研修で配りましょう。

参考:自然災害ひな形(共通)|厚生労働省

優先する業務を選び直す

ひな形の優先業務の選定は、優先する事業と優先する業務の2段構えです。記入例では、優先する事業に入所サービスと訪問サービスの与薬・食事、当座停止する事業に通所サービスと訪問サービスの入浴が入っています。

この並びは、施設ごとに変わります。通所を併設していない老健の場合、当座停止の欄に入るのは別の事業です。

選び直した結果は、様式7の業務分類に書き込みます。災害が起きた日にどの業務を残してどれを止めるかを決めるのが、この様式です。

残す業務と止める業務の線引きを職員と確かめると、研修の場で当日の役割分担まで話が進みます。

関連記事:介護施設のBCP作成方法(前編)

参考:令和5年度介護BCP策定支援セミナーBCP作成(入所系)|厚生労働省

連絡網を職員名簿から作る

連絡網は、様式5の職員緊急連絡網を部署ごとに作ります。書き写す項目は、職員名簿からそのまま移せるものが中心です。

  • 部署ごとの職員氏名
  • 自宅と携帯の電話番号
  • メールアドレス
  • 通勤にかかる時間

備考の欄には、通勤の手段と居住地区も記載します。地震のあとに出勤できる職員を見分ける材料になります。連絡が取れない職員がいないかも、ここで洗い出しておきましょう。

すでに法人で名簿を作っているなら、様式5を新しく作る必要はありません。ひな形の注記も、別途作成されている場合は作成不要としています。

施設外の連絡先は、様式2にまとめます。印刷した紙を普段使いにし、変わった部分をその場で朱書きしておくと、次の見直しが短く済むでしょう。

参考:感染症ひな形(入所系)|厚生労働省

資料を使った研修の進め方

資料を使った研修の進め方

資料がそろったら、当日の進行を先に決めます。研修はBCPの中身を全職員に周知する場であり、役割分担を試すシミュレーションは訓練として別に扱う整理です。時間は30分でも60分でも組み立てられます。

ここでは、2つの進行例と、勤務の違う職員へ資料を届ける方法を解説します。

30分の進行を組み立てる

30分しか取れない場合は、扱う内容を1つに絞ります。全体像から連絡体制まで詰め込むと、どれも印象に残らないためです。

当社では、30分を次のように配分する方法をおすすめしています。

  • 研修の目的の説明(5分)
  • BCPの概要と発動基準(15分)
  • 連絡ルートの確認(8分)
  • 質疑応答(2分)

15分の講義で扱うのは、自施設のBCPの発動基準と初動だけです。残りの内容は次回に回し、1回で完結させない前提で組みます。

厚生労働省の委託事業で開かれたワークショップでも、冒頭の講義は30分でした。30分でも研修として成立するので、まず1回目の日程を押さえましょう。

参考:介護施設等における自然災害等発生時の対応力強化及び業務継続計画の見直し等に係る調査・研修業務一式成果報告書|厚生労働省

60分の進行を組み直す

時間を確保できるなら、60分で2つのテーマを扱えます。たとえば、東京都のガイドブックにはオリエンテーション5分、講義25分を2本、質疑応答5分の組み方が載っています。

講義1本を25分に収める点が、この組み方の要点です。1本目はBCPの概要、2本目は感染疑い者を見つけたときの連絡ルートにテーマを分けます。

終了後は、その場でアンケートを書いてもらいます。時間が経つと回収率が下がり、気づきも薄れるためです。

60分は、研修と訓練を続けて実施する日の前半にも使えます。研修で内容を共有し、後半の訓練で動きを確かめる流れにすると、理解が習熟につながります。

参考:BCP研修・訓練ガイドブック|東京都福祉局

全職員に資料を届ける

夜勤者や非常勤の職員は、集合研修の時間に合わせられません。全員を1回で集める前提を外し、資料の届け方を先に決めましょう。

厚生労働省の委託事業がまとめたFAQは、各人が資料や動画を見る方法でも研修は可能だとしています。交代制勤務や非常勤の多い施設では、オンデマンド配信やeラーニングの活用も有効です。

ただし、配って終わりにはできません。回覧のサインなど、実施したとわかる記録つきで全従業者に周知します。

同じ内容を時間帯を変えて複数回開く方法もあります。夜勤明けや非常勤の職員が参加できる時間を選べば、年度内に全員へ行き渡らせられるでしょう。

関連記事:BCP訓練の事例5選|夜勤帯・少人数体制の進め方や記録の残し方まで解説

参考:介護BCP(業務継続計画)に関する良くある質問(FAQ)|一般社団法人中部産業連盟(令和5年度厚生労働省委託事業)

BCP研修資料でよくある質問

研修の準備が進むと、回数の数え方と記録の残し方で手が止まります。どちらも運営指導で確認される部分のため、根拠を押さえて決めておくと安心です。

ここでは、担当者からの質問が多い2点にお答えします。

感染症と災害の研修はまとめてよい?

年2回以上が必要なサービスなら、1回目に感染症、2回目に災害を扱い、合計2回でもかまいません。厚生労働省への照会結果として、神戸市が令和7年10月に公開した通知にこの方法が載っています。

年1回以上のサービスで1回にまとめるなら、その回で感染症と災害の両方を扱う必要があると同じ通知が示しています。2回に分けて別々のテーマにしても差し支えありません。

ただし、研修と訓練は分けます。同じ日に続けて実施してもかまいませんが、記録は別に残しましょう。

感染症編の研修は、感染症の予防およびまん延防止の研修と一体で実施してもかまいません。その場合は、どちらの内容も盛り込む必要があります。数え方の運用は自治体で差が出るため、指定権者が出している資料も確認しておきましょう。

参考:業務継続計画についての研修及び訓練の年間必要実施回数について(通知)|神戸市

研修の記録には何を残せばいい?

研修記録に決まった様式はありません。厚生労働省の委託事業がまとめたFAQも、実施した記録の保管は必要だが様式等は特に決まっていないと回答しています。

運営指導で示すのは、研修の計画と実績がわかる資料です。計画だけ、実績だけではなく、2つを対にして保管します。

記録に記載する項目は、自施設で決めてかまいません。1枚にまとめるなら、次の5点を入れておきましょう。

  • 実施した日時
  • 参加した職員名
  • 研修の内容
  • 使った資料
  • 出た気づきと課題

同じ様式を毎回使えば、担当者が代わっても記録の粒度がそろいます。欠席した職員への対応や保存の仕方は、訓練の記録と合わせて決めておくと手戻りが起きないでしょう。

関連記事:訪問介護の実地指導チェックリスト|よくある指摘3選と対策も解説

参考:介護保険最新情報Vol.1288別添「確認項目及び確認文書」|厚生労働省

まとめ

BCPの研修資料は、感染症編と自然災害編の2種類をそろえ、老健や特養なら研修と訓練をそれぞれ年2回以上実施します。資料は厚生労働省、東京都福祉局、自施設のある都道府県のページから無料で手に入ります。

入手したひな形で先に直すのは、赤字の施設名と体制図、優先する業務、連絡網です。当日の進行は30分でも60分でも成り立ち、夜勤者や非常勤にはオンデマンド配信や資料の配布で届けます。

まずは厚生労働省のページからひな形と動画資料をダウンロードし、年度内に残っている回数を数えましょう。記録は計画と実績を対で残し、研修が施設に根づく状態をめざしましょう。

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2022年に防災士の資格を取得、企業に対してBCP対策の支援。