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2026/06/15

【2026年度】介護報酬改定|6月臨時施行のポイントをわかりやすく解説

ifny運営スタッフ

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2026年度の介護報酬改定が6月に臨時で施行され、何から手をつければよいか戸惑っていませんか?厚生労働省の資料は分量が多く、専門用語も多いため、全体像をつかむだけでも一苦労です。

この記事では、2026年度の介護報酬改定について、改定率や施行スケジュールから処遇改善加算の拡充、事業所の対応までをわかりやすく整理します。

読み終えるころには、自施設に関わる変更点と6月以降に進めるべき準備が見え、職員や利用者への説明にも自信をもって臨めるようになるでしょう。

2026年度介護報酬改定のポイント

2026年度(令和8年度)の介護報酬改定は、3年ごとの定期改定を待たずに実施された臨時の改定です。介護人材の不足やほかの産業との賃金格差、物価や食材料費の上昇を背景に、処遇改善と食費の2点に絞って見直されました。

まずは改定率と施行スケジュール、食費基準費用額の引き上げから、改定の全体像を確認していきましょう。

改定率と施行スケジュール

今回の改定率(介護報酬全体をどれだけ引き上げるかを示す割合)は、全体で+2.03%です。内訳は処遇改善分が+1.95%、食費分が+0.09%で、国費ベースでは約518億円の規模になります。改定の柱は、介護職員の処遇改善と食費の基準費用額の見直しです。

注意したいのは、施行日が2つに分かれている点です。処遇改善に関する改定は2026年6月1日にすでに施行され、食費の基準費用額の見直しは2026年8月1日から施行されます。

今回は、令和9年度の定期改定を待たずに実施される期中改定です。同じ改定でも適用が始まる時期が異なるため、自施設に関わる項目がいつからかを整理しておきましょう。

食費基準費用額の引き上げ

食費の基準費用額(介護施設などで食事代の基準となる金額)は、1日あたり1,445円から1,545円へと100円引き上げられます。この見直しの施行は2026年8月1日からで、施設サービスやショートステイを利用する方の食費が対象です。

ただし、所得の低い方には配慮が設けられています。利用者負担段階のうち第1段階と第2段階は据え置きで、第3段階の増額も1日あたり30〜60円(月額にして約1,000〜2,000円弱)にとどまります。第3段階でも、所得に応じて影響額が変わる仕組みです。

引き上げの背景にあるのは、所得段階間の均衡を図るための負担限度額の見直しです。利用者やご家族へ説明する際は、全員が一律に100円増えるわけではない点を丁寧に伝えましょう。

参考:令和8年度介護報酬改定について|厚生労働省

2026年度介護報酬改定の処遇改善加算

今回の改定の中心は、介護職員の処遇改善加算の拡充です。賃上げの目標が引き上げられただけでなく、加算の区分が増え、新たに対象となるサービスも加わりました。

ここでは、賃上げ目標と加算率、新区分Ⅰロ・Ⅱロの要件、新たに加算対象となるサービスの3点に分けて解説します。

介護職員の賃上げ目標と加算率

今回の改定では、介護職員の賃上げ目標が最大6.3%(月額およそ1.9万円)に設定されました。この目標は、ベースアップと上乗せ、定期昇給を合わせた水準です。

内訳は、次のとおりです。

  • ベースアップ分:月額約1.0万円(約3.3%)
  • 上乗せ分:月額約0.7万円(約2.4%)
  • 定期昇給分:月額約0.2万円

3つを合わせて、最大で月額約1.9万円(約6.3%)の賃上げになります。上乗せ分は、生産性向上などに取り組む事業者が対象です。

加算率はサービスによって差があり、たとえば訪問介護では最も高い区分で28.7%まで上がります。さらに、今回から処遇改善の対象が介護職員から介護従事者へ広がるため、事務職や調理職など職員全体の処遇を見直すきっかけになるでしょう。

関連記事:処遇改善加算とは|介護職員以外は対象にならない?特定処遇改善加算も解説

新区分Ⅰ-ロ・Ⅱ-ロの要件

処遇改善加算は、これまでより細かい4区分6パターン(Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ)に分かれました。上位の加算ⅠとⅡは、生産性向上や協働化の要件を満たすかどうかで「イ」と「ロ」に枝分かれします。

要件が厳しい「ロ」のほうが、加算率も高く設定されています。「ロ」を算定するための令和8年度特例要件は、次のいずれか1つを満たすことが条件です。

  • ケアプランデータ連携システムに加入する
  • 生産性向上推進体制加算ⅠかⅡを取得する
  • 社会福祉連携推進法人に所属する

最初の2つは、訪問・通所系か施設系かで使い分けます。申請の時点では加入や取得を誓約すれば算定でき、誓約の場合は令和9年3月末までに対応を完了させる必要があります。

関連記事:ケアプランデータ連携システム|義務化の可能性と導入のメリット・デメリットを解説

新たに加算対象となるサービス

これまで処遇改善加算の対象外だったサービスも、今回から新たに対象へ加わりました。新規に対象となるサービスと加算率は、次のとおりです。

  • 訪問看護:1.8%
  • 訪問リハビリテーション:1.5%
  • 居宅介護支援・介護予防支援:2.1%

これらのサービスで算定するには、現行の加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件を1つ以上)か、令和8年度特例要件を満たす必要があります。加算額は、処遇改善加算を除いた月間の総単位数に加算率を掛けて計算します。

たとえば、居宅介護支援なら総単位数の2.1%が上乗せされる計算です。新規対象のサービスは加算の実務経験がない事業所も多いため、要件の読み込みから準備を始めるとよいでしょう。

参考:令和8年度臨時介護報酬改定(処遇改善加算)について|公益財団法人日本訪問看護財団

2026年度介護報酬改定に伴う事業所対応

2026年度介護報酬改定に伴う事業所対応

改定の内容を理解したら、次は事業所として何を進めるかが課題になります。処遇改善加算を算定するには、計画書の整備や届出に加え、職員や利用者への説明も必要です。

ここでは、処遇改善計画書の整備と届出、職員・利用者への周知の順に見ていきます。

処遇改善計画書の整備と届出

処遇改善加算を算定するには、処遇改善計画書の作成と提出が前提になります。この提出期限は、事業者の状況によって2つに分かれている点に注意が必要です。

すでに加算を算定している既存の事業者の期限は、2026年4月15日でした。一方、訪問看護や居宅介護支援など今回から新たに対象となる事業所のみの場合は、2026年6月15日が期限です。

計画書を整えるには、キャリアパス要件ⅠとⅡ、職場環境等要件の整備が前提となります。期限が近い事業所は、要件を満たしているかを早めに確認しておきましょう。

届出先は、サービスを提供する地域の自治体(指定権者)です。期限を過ぎると算定の開始が遅れるため、余裕をもって準備を進めましょう。

職員・利用者への周知

加算を算定する事業所は、処遇改善計画書の内容を全職員へ周知する必要があります。加算分を基本給、手当、賞与のどれで配分するのかを書面で示し、必要に応じて就業規則も見直しておきましょう。

配分の方法は、職員の関心が高い部分です。説明会や書面で根拠を示しながら伝えると、職員の納得を得られます。

また、職員だけでなく利用者やご家族への説明も準備しておきたいところです。とくに8月から始まる食費の100円引き上げは利用者の負担に直結するため、早めの案内が安心につながります。

その際は、第1段階と第2段階の方が据え置かれるなど、低所得者への配慮についても伝えると、利用者の不安をやわらげられるでしょう。

関連記事:処遇改善加算を基本給に含むのは違法?導入の7ステップと運用ルールを解説

2026年度介護報酬改定でよくある質問

ここまで改定の要点と事業所対応を見てきましたが、現場では細かな疑問も出てきます。とくに期中改定の形式や、新たに対象となるケアマネ事業所の扱いは、よく質問が寄せられる部分です。

最後に、よくある2つの疑問について、改定の背景も踏まえながら回答していきます。

期中改定と定期改定の違いはある?

期中改定と定期改定には、仕組みの違いがあります。介護報酬の定期改定は3年ごとに実施され、次回は令和9年度(2027年度)に予定されています。

これに対して今回は、その定期改定を待たずに実施された期中改定(臨時改定)です。通常の定期改定のように介護報酬の全体を見直すのではなく、処遇改善加算の拡充と食費の見直しの2つに絞られています。

背景にあるのは、介護人材の不足やほかの産業との賃金格差、物価や食材料費の上昇です。国の『強い経済を実現する総合経済対策』(令和7年11月21日閣議決定)を踏まえ、定期改定の前倒しに近い形で決定されました。

ケアマネ事業所はいつから対象?

居宅介護支援、いわゆるケアマネ事業所は、2026年6月から処遇改善加算の対象になりました。加算率は2.1%で、ケアマネ事業所にとっては初めての処遇改善加算への対応となります。

算定は、まず誓約書を提出する形で始められます。ただし、令和9年(2027年)3月末までには令和8年度特例要件を満たさなければなりません。対応策は、ケアプランデータ連携システムの利用か社会福祉連携推進法人への所属のいずれかです。

これまで処遇改善加算に関わってこなかった事業所も多いため、要件の確認と準備は早めに進めておきましょう。わからない点は、自治体の窓口に相談しながら対応を進めると安心です。

まとめ

2026年度の介護報酬改定は、令和9年度の定期改定を待たずに実施された期中改定で、改定率は全体+2.03%です。処遇改善加算は6月1日に施行されて区分が6パターンに増え、訪問看護やケアマネ事業所なども新たに加算の対象となりました。

食費の基準費用額は、8月1日から100円引き上げられます。まずは、自施設が運営するサービスの種別ごとに、今回の改定で何が変わるのかを書き出してみましょう。

そのうえで、処遇改善計画書の提出状況や令和8年度特例要件への対応が間に合うかを点検すると、抜け漏れを防げます。期限が迫る項目から着手すれば、改定対応に追われる状況を避けられ、職員や利用者への説明にも落ち着いて臨めます。

改定の全体像を早めにつかみ、自信をもって6月以降の準備を着実に進めていきましょう。

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2022年に防災士の資格を取得、企業に対してBCP対策の支援。