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2025/03/05

外水氾濫とは?事前準備から発生後の対応まで解説

西條 徹

西條 徹

外水氾濫とは

「外水氾濫が起こったらどうすればいいのか分からない……」そんな不安はありませんか?

事前の準備や正しい行動を知っていれば、外水氾濫の被害を大きく減らせるかもしれません。避難のタイミングや安全な移動方法を理解しておけば、落ち着いて行動できるようになります。

この記事では、外水氾濫とは何か、事前の準備や発生時の行動、浸水後の対応まで詳しく解説します。

この記事を読めば、いざというときに慌てず行動し、外水氾濫から身を守る方法が分かるようになります。今から準備を進め、安全な環境を整えましょう。

外水氾濫とは?

外水氾濫が起きると、市街地に勢いよく水が流れ込み、建物や車が流されたり、土砂が堆積したりする被害が起こります。

発生するスピードが速く、広範囲に影響を及ぼすため、早めの避難が必要です。特に、河川の近くや低い土地では外水氾濫のリスクが高くなります。

では、具体的に外水氾濫とはどのような現象なのか、内水氾濫とはどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

外水氾濫とは

外水氾濫は、河川の水があふれ出して市街地に流れ込む現象です。河川の水位が急激に上がり、堤防を越えたり決壊したりすると、短時間で広い範囲が浸水します。

この現象は、大雨や台風の影響で大量の水が流れ込み、河川が水を流しきれなくなったときに発生します。流れ出した水は土砂や泥を含んでおり、家屋の倒壊や車の流出を引き起こすため非常に危険です。

外水氾濫が起こると、道路が冠水して移動が困難になり、ライフラインが停止することもあります。特に、河川の近くに住んでいる人は、ハザードマップを確認し、早めの避難を心がけましょう。

外水氾濫と内水氾濫との違い

外水氾濫と内水氾濫は、発生の仕組みや影響の範囲が異なります。

外水氾濫は河川の氾濫が原因で発生します。一方、内水氾濫は、排水設備が雨水を処理しきれなくなることで起こるのです。

外水氾濫は主に河川の近くで発生し、短時間で急激に水位が上昇するのが特徴です。これに対して、内水氾濫は都市部や地下街などで発生しやすく、比較的ゆっくりと水位が上がります。

どちらも大きな被害をもたらすため、自分の住んでいる地域がどちらの氾濫リスクが高いのかを把握しておきましょう。

外水氾濫が起きやすい土地の特徴

外水氾濫は、河川の形状や地形によって発生しやすい場所があります。特に、河川が大きく曲がっている場所や、支流と本流が合流する地点では、水の流れが滞りやすく氾濫のリスクが高まります。

また、堤防の強度が低い場所や、橋や水門の近くも要注意です。これらの構造物の周辺では、水の流れが変化しやすく、増水時に勢いよく水が溢れることがあります。さらに、市街地の標高が低い地域では、周囲の水が集まりやすく、氾濫が発生しやすくなります。

過去に氾濫が起こった地域では、再び同じ現象が起こる可能性が高いため、ハザードマップを確認し、リスクを把握することが重要です。外水氾濫が起こりやすい土地の特徴を知ることで、被害を未然に防ぐ準備ができます。

外水氾濫に備えて行うべき事前準備

外水氾濫が発生すると、短時間で水が押し寄せ、建物や道路が浸水します。被害を防ぐためには、事前にリスクを把握し、適切な準備をしておくことが大切です。

ハザードマップの活用や避難ルートの確認、防災グッズの準備などを進めることで、被害を最小限に抑えられます。具体的にどのような対策をすればよいのか、詳しく見ていきましょう。

ハザードマップを活用してリスクを把握する

外水氾濫のリスクを知るには、ハザードマップの確認が重要です。自治体や国土交通省のサイトでは、洪水や土砂災害の危険区域が示されています。

たとえば「重ねるハザードマップ」では、自宅や学校周辺の浸水深や地形の特徴を調べられます。

自分が住んでいる場所がどのくらいの高さまで水に浸かる可能性があるのかを知ることで、適切な避難準備ができます。ハザードマップを確認し、リスクを正しく把握しておきましょう。

参考:国土交通省『ハザードマップポータルサイト

避難経路を確認して安全なルートを確保する

氾濫が発生すると、道路が冠水し、通常の道が使えなくなる可能性があります。そのため、安全な避難経路を事前に確認する必要があります。

自宅から避難所まで、少なくとも2つの経路を確保し、低い場所や橋を避けるルートを選びましょう。実際に歩いてみると、側溝やブロック塀など危険な場所を見つけられます。

夜間や雨の日にも安全に避難できるかを確認しておくことも大切です。安全な避難経路を確保しておけば、いざというときに迷わず行動できます。

避難時の連絡方法を決める

災害時には、家族や知人と連絡が取りにくくなります。避難先や安否を確実に伝えるために、事前に連絡方法を決めておきましょう。

「171(災害用伝言ダイヤル)」は、固定電話や携帯電話から音声メッセージを録音でき、家族があとで再生できます。また、インターネットの「Web171」では、短いメッセージを登録できるので、スマートフォンが使えないときに役立ちます。

SNSやグループチャットも活用し、家族全員でルールを決めておくと安心です。

参考1:NTT西日本『災害用伝言ダイヤル(171)

参考2:NTT西日本『災害用伝言板(web171)

防災グッズ・備蓄リストを用意する

外水氾濫が起こると、ライフラインが止まることがあります。安全に避難するため、必要な防災グッズを準備しておきましょう。

避難用のリュックには、水や非常食のほか、懐中電灯、モバイルバッテリー、簡易トイレを入れておきます。特に、水は重要です。500mlペットボトルを3本以上用意してください。

在宅避難をする場合は、カセットコンロや保存食品、医薬品を備えておくと安心です。日ごろから必要なものをそろえ、すぐに持ち出せるよう準備しておきましょう。

土のうや水のうを活用して家を守る

自宅が浸水しないよう、玄関や排水口を防ぐ工夫をしておくと被害を抑えられます。土のうや水のうを活用しましょう。

土のうを玄関や地下室の入口に積み上げると、水の侵入を遅らせることができます。収納スペースがない場合は、水に触れると膨らむタイプの土のうを使うと便利です。

また、大きなゴミ袋に水を入れた「水のう」も代用できます。事前に準備し、適切な場所に配置できるようにしておきましょう。

火災保険の水災補償を確認する

外水氾濫による被害を受けたとき、火災保険で補償されるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。水害の種類によって補償内容が異なるため、契約内容を見直しておきましょう。

「水災補償」に加入していれば、床上浸水や家屋の損壊による修理費が補償されます。ただし、自動車の水没は補償対象外になることもあるため、細かい条件を確認しておく必要があります。

特約を追加すると、水災後の清掃や搬出など、後片付けにかかる費用がカバーされることもあるので、保険会社に問い合わせてみましょう。

外水氾濫発生時の避難行動

外水氾濫発生時の避難行動

外水氾濫が発生すると、短時間で大量の水が流れ込み、移動が困難になります。安全に避難するには、警報レベルに応じた行動を取り、早めの避難を心がけることが重要です。

また、車での移動は避け、浸水してしまった場合には適切な緊急行動を取る必要があります。では、それぞれの避難方法について詳しく見ていきましょう。

警報レベル別に避難のタイミングを判断する

自治体が発令する警戒レベルによって、避難のタイミングが異なります。水害は急激に悪化するため、適切なタイミングで避難を開始しなければなりません。

警戒レベル3が発令された場合は、高齢者や乳幼児などの避難に時間がかかる人が優先して移動します。警戒レベル4では、全員が安全な場所へ避難しなければならず、この段階での行動が生死を分けることもあります。

さらに、警戒レベル5になるとすでに危険な状況となっており、外に出るのは難しくなるため、警戒レベル4までに避難する必要があります。

参考1:政府広報オンライン『「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう

参考2:気象庁『防災気象情報と警戒レベルとの対応について

車での避難を避けて安全な方法で移動する

水害時の避難では、徒歩での移動が基本です。なぜなら、道路が冠水すると車の操作ができなくなり、浸水した車が流される危険があるからです。

たとえば、水が膝の高さほどまで上がると、車のタイヤが浮いて動かせなくなります。アンダーパスや橋の近くは、水位が急に上昇することがあるため特に危険です。どうしても車を使う場合は、安全なルートを事前に確認し、緊急脱出用のハンマーを準備する必要があります。

徒歩での避難が可能であれば、長靴ではなくスニーカーを履き、両手を自由にして、できるだけ集団行動しましょう。

浸水してしまったときの緊急行動を実行する

避難が遅れて水に囲まれてしまった場合は、冷静に行動しましょう。状況に応じた対処をすることで、命を守れます。

歩行中に水に巻き込まれた場合は、流れが強い場所を避け、棒を使って足元を確認しながら移動すると安全です。

車内に水が入ってきたときは、パワーウィンドウが動くうちに窓を開け、脱出の準備をしましょう。もしドアが開かなくなった場合は、水圧が落ちるのを待ってから強く押し開けることで脱出が可能になります。

建物内にいる場合は、すぐに上の階へ移動し、安全な場所で救助を待つことが大切です。

参考:NISSAN『水没したときの対処のしかた

避難所に持って行かない方がいいもの・持っていった方がいいものとは?

外水氾濫に関するよくある質問

外水氾濫は、短時間で大きな被害をもたらすため、事前の情報収集が重要です。

ここでは、どのくらいの雨量で発生するのか、河川の水位をリアルタイムで確認する方法、浸水後の片付けや消毒の注意点について解説します。

正しい知識を身につけ、適切に対応できるようにしておきましょう。

どれくらいの雨量で外水氾濫が発生するの?

外水氾濫の発生は、降る雨の量とその地域の地形によって異なります。一般的には、1時間に50ミリ以上の雨が降ると、河川の水位が急激に上昇し、氾濫が起こる可能性が高まると言われています。

気象庁の「洪水キキクル」では、過去30年間のデータをもとに、流域の雨量指数を算出し、危険度を色で示しているので参考にしてください。

特に、1時間に80ミリを超えるような強い雨が降ると、都市部では短時間で排水能力を超え、河川の水があふれる危険があります。

河川の水位情報をリアルタイムで知る方法は?

外水氾濫のリスクを知るためには、河川の水位情報をリアルタイムで確認することが大切です。最新の水位を把握することで、適切な避難のタイミングを判断できるでしょう。

たとえば、気象庁の「洪水キキクル」では、スマートフォンで通知を受けられます。また、国土交通省の「川の防災情報」では、主要な河川の水位を10分ごとに更新し、リアルタイムで水位がわかります。

これらのツールを活用し、自分が住んでいる地域の水位を常にチェックすることで、早めの避難が可能になります。

参考:国土交通省『川の防災情報

外水氾濫後の消毒や片付けで注意すべきことは?

外水氾濫が発生すると、水と一緒に泥や雑菌が流れ込み、健康被害を引き起こす可能性があります。浸水後の片付けや消毒を適切に行うことが、二次被害を防ぐために重要です。

作業を始める前に、長袖・長ズボン・ゴム手袋・防水靴を着用し、粉じんを吸い込まないようマスクを使いましょう。水に浸かった布製品や食料品は、安全のため処分するのが基本です。

消毒には、市販の塩素系漂白剤を薄めた液を使用し、床や壁を拭き取ります。特に、井戸水を使っている場合は、衛生管理のために水質検査を受けることをおすすめします。

浸水後は感染症のリスクも高まるため、片付けの後は必ず手を洗い、体調管理にも注意しましょう。

まとめ

外水氾濫は突然発生し、大きな被害をもたらします。しかし、事前に正しい知識を身につけ、適切な準備をしておけば、被害を最小限に抑えることができます。特に重要なポイントは以下の5つです。

  • ハザードマップを確認し、自宅や職場のリスクを把握する
  • 避難ルートを事前に決め、実際に歩いて安全を確認する
  • 防災グッズや備蓄を準備し、すぐに持ち出せる状態にしておく
  • 水害時の移動方法を理解し、車ではなく徒歩で避難する
  • 浸水後の片付けや消毒を適切に行い、健康被害を防ぐ

まずは自治体のハザードマップをチェックし、自宅周辺の浸水リスクを確認しましょう。そして、家族と避難場所や連絡手段を話し合い、備蓄品を見直すことが大切です。

これらの準備をしておけば、万が一の際も落ち着いて行動でき、安全を確保

できます。しっかりと対策を進め、安心して暮らせる環境を整えましょう。

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証券会社勤務後、広告代理店兼防災用品メーカー勤務。経営管理部を立ち上げ、リスクマネジメント部を新たに新設し、社内BCP作成に従事。個人情報保護、広報(メディア対応)、情報システムのマネジメント担当。NPO事業継続推進機構関西支部(事業継続管理者)。レジリエンス認証の取得、更新を経験。レジリエンス認証「社会貢献」の取得まで行う。レジリエンスアワードとBCAOアワードの表彰を受ける。現在では、中小企業向けBCP策定コンサルティング事業部を立ち上げ、コーディネーターとして参画。