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2025/02/14

地震の二次災害一覧をランキング形式で紹介|対策もあわせて解説

西條 徹

西條 徹

地震の二次災害の対策

地震の後に発生する津波や火災、ライフラインの寸断などの二次災害に不安を感じていませんか?

本記事では、地震によって引き起こされる二次災害の一覧をランキング形式で紹介し、それぞれの対策について詳しく解説します。

この記事を読めば、地震後のリスクがわかり、事前の備えができます。ぜひ最後までご覧ください。

地震の二次災害とは?

地震が発生すると、揺れそのものによる被害だけでなく、その影響によってさまざまな二次災害が発生します。

二次災害の特徴や、一次災害との違いについて詳しく見ていきましょう。

二次災害ってなに?

地震の影響で発生する災害には「二次災害」があります。二次災害とは、地震による揺れが原因となって引き起こされる災害です。

地震が起きたときには、建物の倒壊や地割れなどの被害が発生します。しかし、それだけでは終わりません。

揺れによって発生した火災や、地盤がゆるんで起こる土砂災害、津波の発生などが二次災害にあたります。二次災害は、一次災害よりも被害が大きくなる可能性があり、十分な注意が必要です。

二次災害を防ぐためには、ハザードマップを活用し、住んでいる地域の危険を知ることが大切です。さらに、非常用持ち出し袋を準備したり、建物の耐震化を進めたりするのも有効な対策になります。

地震の揺れだけでなく、その後に起こる可能性がある二次災害に対しても、しっかりとした備えをしておきましょう。

一次災害と二次災害の違い

災害は、大きく「一次災害」と「二次災害」に分けられます。それぞれの違いを理解すれば、適切な対策がわかりやすくなります。

一次災害とは、地震や台風などの自然現象が直接引き起こす災害です。たとえば、地震による建物の倒壊や地盤の液状化、台風による強風や大雨による浸水などが該当します。

二次災害とは、一次災害の影響によって発生する災害です。たとえば、地震による火災や津波、土砂崩れ、ライフラインの寸断などが挙げられます。避難の遅れや対策不足によって被害が拡大する傾向があります。

二次災害を防ぐためには、地震が発生した後の行動を、予測することが大切です。

地震の二次災害一覧【ランキング形式】

地震の二次災害の一覧をランキング形式でまとめました。発生率と、発生したときの影響を踏まえて順位付けしています。

  • 1位:津波
  • 2位:火災
  • 3位:土砂
  • 4位:液状化現象
  • 5位:ライフライン寸断
  • 6位:余震
  • 7位:地割れ
  • 8位:感染症
  • 9位:エコノミークラス症候群
  • 10位:通信の断絶

それぞれの災害と対策について、詳しく見ていきましょう。

1位:津波への対策:ハザードマップを確認して高台へ避難しよう

津波は海底地震によって発生し、沿岸部に甚大な被害をもたらします。特に地震発生後の数分から数十分以内に襲ってくるため、迅速な避難が必要です。

津波のリスクを低減するには、事前にハザードマップを確認し、安全な避難場所を把握しておきましょう。

2位:火災への対策:電気配線のショートやガス漏れに注意しよう

地震による火災は、建物の損壊やガス漏れ、電気配線のショートなどが原因で発生します。特に木造住宅が多い地域では、大規模な火災につながる危険があります。

感震ブレーカーを設置し、地震の揺れを感知したら自動で電気を遮断する仕組みを導入すると、火災発生を防ぐ効果があります。また、避難するときにはブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉めてから移動しましょう。

3位:土砂災害への対策:ハザードマップを見て避難しよう

地震の揺れによって山や崖が崩れ、土砂が流れ落ちることで建物や道路を押し流す危険があります。特に雨が多い地域では、地盤が緩みやすく、土砂災害が発生しやすくなります。

居住地が土砂災害警戒区域に該当するかを確認し、必要に応じて避難計画を立てましょう。早めの避難が命を守る鍵になります。

4位:液状化現象への対策:地盤を改良して対策しよう

地震の揺れで地盤が緩み、地面が液体のように変化する現象が液状化です。建物の沈下や傾斜、道路の陥没などの被害を引き起こします。

埋め立て地や、砂地の多い地域では特に液状化のリスクが高くなります。ハザードマップを活用して地盤の状況を確認しましょう。

5位:ライフライン寸断への対策:電気、ガス、水道の停止に備えよう

地震発生後は、電気や水道、ガスなどのライフラインが停止することがあります。復旧には時間がかかるため、最低3日分の生活必需品の備蓄が推奨されています。

飲料水や非常食、携帯トイレ、モバイルバッテリーなどを準備し、停電や断水が発生しても対応できるように備えましょう。

6位:余震への対策:本震のあとに続く地震に備えよう

本震が収まったあとも、余震が続く可能性があります。余震によって損傷した建物の倒壊に注意が必要です。

避難先や自宅にいる場合も、身を守るための行動を意識しましょう。家具の転倒防止対策をしたり、安全な場所へ移動したりすることが大切です。

7位:地割れへの対策:ひび割れした地面から離れよう

地震の揺れによって地面が割れることがあります。特に地盤の弱い地域では、亀裂が大きくなり、人や建物が巻き込まれる可能性があります。

地割れが発生した場所には近づかず、安全な場所へ避難しましょう。避難ルートも事前に確認し、冷静に避難できるよう準備してください。

8位:感染症への対策:衛生用品を準備しておこう

避難所生活が長引くと、感染症が広がる可能性があります。特にインフルエンザや胃腸炎などの病気が流行しやすくなります。

マスクや消毒液、ウェットティッシュなどを持参し、感染対策を徹底しましょう。十分な換気と手洗いを意識し、体調を維持してください。

9位:エコノミークラス症候群への対策:定期的な運動と水分補給を心がけよう

避難生活で狭い場所に長時間いると、血液の流れが悪くなり、エコノミークラス症候群を発症することがあります。

こまめに足を動かし、水分をしっかり摂るよう意識しましょう。足を伸ばせるスペースを確保し、リラックスした姿勢を意識してください。

10位:通信の断絶への対策:家族との連絡方法を決めておこう

災害発生時には通信が混雑し、家族との連絡が取れなくなる可能性があります。安否確認の方法を事前に決めておくと、安心して行動できます。

災害用伝言ダイヤル(171)などを活用しましょう。事前に家族と連絡の取り方を話し合い、迅速に対応できるようにしてください。

以下の記事では、自然災害BCP作成のポイントについて詳しく説明しております。

介護施設における自然災害BCPの重要性と作成のポイントを解説

よくある質問

地震の二次災害

最後に、地震の二次災害に関連した、よくある質問に回答します。

一次災害の一覧は?

一次災害とは、自然現象が直接的に引き起こす災害です。以下に、代表的な一次災害の一覧をまとめました。

  • 地震:建物の倒壊や地割れを引き起こします
  • 台風:強風や大雨により洪水や高潮が発生します
  • 火山噴火:火山灰や溶岩流が広範囲に被害を及ぼします
  • 大雪:交通の混乱や雪崩の危険があります
  • 津波:海底地震により発生し、沿岸部に甚大な被害をもたらします
  • 猛暑:熱中症や水不足の原因になります
  • 土砂災害:がけ崩れや地すべりを引き起こします
  • 洪水:家屋や道路が浸水し、大きな被害が発生します
  • 強風・竜巻:建物や車両が破壊され、飛来物による危険があります
  • 山火事:森林や住宅地が燃え、煙害による健康被害が生じます

それぞれの災害に対する知識を深め、適切な備えをしておきましょう。

ハザードマップはどこで確認できる?

ハザードマップは、さまざまな方法で確認できます。以下に、主な確認方法をまとめました。

  • 国土交通省のハザードマップポータルサイト
  • 自治体の公式ウェブサイト
  • 自治体の防災アプリ

これらの方法を活用して、自分の住んでいる地域のハザードマップを確認し、災害に備えましょう。

ハザードマップは災害時に迅速に行動するための大切な情報源となるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

参考:国土交通省『ハザードマップポータルサイト

避難所で気を付けることは?

避難所では、多くの人が共同生活を送るため、事前準備と工夫が不可欠です。

衛生管理のため、マスクや消毒液を持参し、手洗いを徹底してください。また、貴重品の管理も大切です。財布やスマートフォンなどは常に身につけるようにしましょう。

夜間の話し声や物音には気を配り、周囲へ配慮してください。避難生活が長引くことも考えられるため、快適に過ごせるよう事前の準備をしておきましょう。

まとめ

地震の二次災害は、一次災害の影響を受けて発生し、被害をさらに拡大させる要因になります。事前にリスクを知り、適切な対策をしておく必要があります。

今回のポイントは以下のとおりです。

  • 二次災害は、地震のあとに発生する災害であり、津波や火災、ライフライン寸断などが代表例
  • 事前の備えとして、ハザードマップの確認、非常持ち出し袋の準備、避難ルートの確認が重要
  • 被害を減らすためには、日ごろから防災意識を持ち、家族や地域と情報共有をすることが大切

まずは、ハザードマップを確認し、自宅や職場の安全性をチェックしてみましょう。

さらに、非常持ち出し袋を用意し、定期的に防災訓練へ参加することで、いざという時に落ち着いて行動できるようになります。

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証券会社勤務後、広告代理店兼防災用品メーカー勤務。経営管理部を立ち上げ、リスクマネジメント部を新たに新設し、社内BCP作成に従事。個人情報保護、広報(メディア対応)、情報システムのマネジメント担当。NPO事業継続推進機構関西支部(事業継続管理者)。レジリエンス認証の取得、更新を経験。レジリエンス認証「社会貢献」の取得まで行う。レジリエンスアワードとBCAOアワードの表彰を受ける。現在では、中小企業向けBCP策定コンサルティング事業部を立ち上げ、コーディネーターとして参画。